06/12/26
外人投資家とはなに?
みなさんは外人投資家の動向を毎日のように耳にするでしょう。であるならば、「外人投資家っていったい誰のこと?」と一度ならず疑問を持ったことがおありでしょう。
20年間外国投資顧問会社に籍を置いた私でも、「誰ですか?」と聞かれれば「はい、私です」とも言えるし、「いえ、ほかにも沢山」と答えることもあります。日本人とて同様、投資家は多種多様です。一人のような扱いはできません。ここ数年、取引所の株式売買の実績から見て、外人投資家抜きに相場は語れません。それはまるで不況のときの救世主扱いです。
主人公、ヒーローとなれば、確かに一挙手一投足を見逃すわけにはいかないでしょう。しかし、沢山の外人機関投資家を十把一絡げに扱っていいのでしょうか。外人投資家トータルの売り越し・買い越しを「買っている、売っている」と一言で片付ける解説に、私はいつも違和感を持ちます。「なぜ買い越しか?」という原因を追求するのが、本来ジャーナリストの務めなんです。情報のいいとこどり、うわべだけのデータで結論するのは多分、マスコミにハンデがあるからでしょう。
それは (1)地理的にも、言葉でも外人投資家に直に質問しにくいという事情、そして (2)質問者が機関投資家の投資哲学、方針をあまり理解していないこと、などの理由があるからでしょう。
結局、せいぜい手近な情報源に当たることになりますが、それは(1)日本在住の日本語が話せる外人ファンドマネージャーか、(2)外資で働く日本人のファンドマネージャーか、のどちらかということになります。
彼らは確かに役に立ちます。外人投資家の動向をかんで含めるように伝えてあげられるからです(インタープリートする)。しかし、それとて一部の傾向に過ぎません。日本人は特に日本がどのように見られているかに関心が強く、ほかのことは無関心です。その場合、客観性を欠く価値判断を持ってしまいがちです。NYヤンキースの松井選手やシアトルマリナーズのイチロー選手の映像は流しますが、ほかの選手の活躍や、ヤンキースが勝ったか負けたかとか、何位につけているとかには時間を割きません。視野が狭い。きっと松井、イチロー選手以外の映像は視聴率に影響が出ないからでしょう。
さて、外国籍のファンドで対日投資ができるファンドは
(1)国際分散ファンドと(2)日本オンリーファンドです。
(1)は日本を絶対視するのではなく、あくまで日本とほかの投資先を相対に比較して、資産の分散を計ります。
(2)は日本株のみが投資対象なので、日本株式を増やしたり減らしたりのみします。
(1)は日本を冷静に他市場と同じように判断しますが、(2)はやや日本びいきの立場を崩すことはありません。
それゆえ国際分散投資では、日本の景気が思わしくなくても、よその大きな市場(時価総額の大きな4~5カ国)が不況となれば、防衛的な意味でも対日投資を減らさないこともありえます。
一方、日本オンリーでは、不景気ともなれば、タイミングを重視して組み入れ率を下げたり、防衛、安定的な業種を増やしたりします。ですから、もしヒヤリングをしたら、(1)と(2)ではかなりニュアンスの違ったコメントが出てくるはずなんです。
最後に、外人投資家が「売り方針だ」とか「強気でいい、買いだ」などとコメントしても、果たして信じていいものか。まれに、もし「個々の銘柄の売買方針」に言及しても、それは「おかしい」と思ったほうがいいのではないかと思います。自分の発言が影響を及ぼすのなら、逆の発言をすることがママあるからです。外国人ファンドマネージャーが発言したら、その裏を考えてみることが必要です。何しろ彼らは、日本と日本人の性格をよく把握していますから。外人投資家のほうが日本人市場関係者を手玉に取るのがうまいのです。
更新日
2006年12月26日 火曜日
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