07/06/19
業種で考える(第1回)
前提として、全ての銘柄が同じヴァリュエイション(PERなど)に回帰する必要はないです。また全ての国の市場が同じヴァリュエイションに統一される必要もなし。実も蓋もない言い方ですが、それぞれの銘柄、業種、国にはそれぞれの価値があって異なる価格が形成されるというわけですが、逆に言えば、比較上の割安、割高はいつも存在するということです。それに業種のハンデは必ず存在します。ですから異業種同志を比較して、割高、割安を論ずるのはあやういと思います。ただグループ分けして見てそのグループ内での比較をすることは意味があると思います。
規制業種
何らかの政府の規制、監督下にある業種ですが、海空運、陸運、メデイアと放送、電力ガス、防衛などの公共性の強い業種です。従って企業は収益を得る前に安全性とか機密を第一に考えなければなりません。企業は成長を追いかける必要がどれだけあるのか、それよりサービスの拡充を重視されています。そういうことで企業の評価も市場平均以上にはなかなかならないわけです。近年は公共株に対しても配当を増やしてもらいたいという希望が強くなっています。かつて50円額面時代に5円配していればよかったという風潮はなくなりました。電力ガス会社さえ成長できます。ですからもっと配当に柔軟性を持たせられるかどうか注目です。
輸出産業
言わずと知れた自動車、電気機器、機械が御三家です。かつて輸出の雄であった造船はもはや凋落。これらの御三家は産業として大きく、裾野も広く、円安を大いにエンジョイできます。国内景気、雇用、輸出にも大きな影響力をもちます。そのうえ技術革新の中心的存在とあっては、多少の高いヴァリュエイションも当然といえば当然。また多額の設備投資を必要としているので、いったん仕掛かった工場や研究所は簡単なことでは変更も出来ない。懐妊期間(設備の建設着工時期から生産開始までの期間)は長い。この先行性が優位性になって国際競争力に勝てるわけです。一方で、景気のピークに投資を始めると、タイミングがずれて生産開始時期には不況の真っ最中で、設備が死んだも同然になります。株価は結局暴騰暴落しやすいのです。家電製品やオーデイオなどは価格競争に巻き込まれやすく、薄利多売ということに。
防衛的産業
食品、建設、薬品などがこの範疇に入りそうです。どちらかといえばデイフェンシブ(守りの業種、不況耐久力が強い)なので、派手さはありませんが、相場が下げるときには味方になります。ポートフォリオを組む機関投資家はこの業種をいつも念頭に入れて運用しています。前述のハイテク業界とは株価が逆に動くという特性を生かして、株価がピークを打てばこの業種に乗り換えるというのが知恵です。建設業はかつての国土の建設、財政投融資の恩恵を受けて肥大化して、今でも会社数が多すぎて収益は上がりません。「研究開発に莫大な資金を必要とする薬品」は世界的には規模が小さく常にM&Aにさらされていますが、それだけに妙味があるといえましょう。食品は今や大注目の食の安全性の槍玉に上がっています。ヴァリュエイションが平均を下回ってもやむをえないでしょう。
次回は、国内消費産業、素材産業、金融業、新興産業を見ていきます。
更新日
2007年06月19日 火曜日
![]()
トラックバック
このエントリのトラックバック URL
![]()
コメント
コメントフォーム
なにかコメントがありましたら以下のフォームからどうぞ。

