07/06/26
業種で考える(第2回)
(前回からの続き)
国内消費産業
小売業は景気の支えになり、前年同期比で売上が好調ならば景気がいいとまで言い切れます。何しろ先進国というのはGDPの60%程度が消費で成り立っているわけですから。ただし日本はまだそこまでいっていません。財投予算を削り政府の役割を減らして、消費主体の経済体制に持ってゆくのが現内閣の目標ですが、道半ばとしか思えません。そのうえ老年化社会ですから、預金を引き出して生活する年金生活者が増えています。消費性向が3%台にまで下がったのは(景気のドライブになっていないで)、預金引出しのためだったということが分かっています。つまり小売業は好況が続かないで、新製品とか店舗開店とかでは刺激にはなり、一時的に好況感を持ちますが、その華々しさは花火のように消えてしまうようです。割高な小売の銘柄には手がだしずらいところでしょう。海外からの出店もお国柄がわからず、成功した外国小売業は皆無のようです。
素材産業
国際商品相場をもっとも反映する業種です。原油、非鉄、化学、貴金属、などは分かりやすい業界と言っていいでしょう。ほかにも鉄鋼、紙パ、なども国際需給の影響を受けます。日本は資源のない国ですから、ヘッジの意味でもポートフォリオに組み入れたくなるのがこの業種。ひとことで言えば円高がメリットになり輸出産業とは反対の動きをしやすいということです。ただ原油などはオペックのような産油国の団結が政治的な動きをしますので、一概には景気関連とも言えないことがあります。平時には世界景気と素材はパラレル(同時進行)するはずです。現在はインドの財閥ミタルが企業買収で鉄鋼業の最大手に踊り出て、デフレ時には斜陽とも見られていた鉄鋼業にもスポットライトが当たりました。更なる買収合戦もありうるわけで、今後の展開が見逃せません。
金融業
銀行とか保険とか証券は旧時代の金融業ですが、リース、レンタル、消費者金融はソコソコ新時代の金融業でしょうか。これらの事業はまあ金貸し業と言ってよいでしょうか。一方、本来歴史は長いのですが、投資信託が最近上場してきたので、投資対象としては目新しいと言ってよいでしょう。不動産投信、投資ファンドはまるっきり新しい金融業ということです。この業界は景気=金利水準に影響を受けますが、収益源を何処に求めているか(貸し付けか、投資顧問サービスか、カード業か……、または出資など)によって利益率も変ってきます。また最近の出来事のように法律で金利が変えられてしまう(消費者金融の上限金利が引き下げられました)という規制業界でもあります。金融業の評価は純資産が鍵で、純資産を大幅に上回ってまで買いあがるのは好ましくありません。しかしファンドは企業に出資、投資して「売買益」を生むのが命ですから、違った観点が必要です。つまりどのような企業に投資しているか内容を見たいものです。REITは家賃収入イコール年間の配当金ということで、管理しているビルや商業施設の優秀さが目の付け所になります。
新興産業
IT中心の新興産業ですが、素人にはなかなか事業の内容が理解できません。そのくせベンチャービジネス中心の新しい産業なので、IPOの上場が続き、途方もないヴァリュエイションで売買されます。東証コード番号でいいますと2000番台と4000番台でしょう。分かりにくいのは、多くの場合、製造業ではなくソフトなどのITのサービス業です。ですから、利益を生むということは、ITサービスが今の社会のインフラに定着するかということです。例をあげれば、マイクロソフトのウインドウズとか、サイバーエージェントのネット広告、ヤフーの検索、バーチャル市場の楽天などネット時代の経営が成功していますが、果たして株価の評価はどのくらいが適切かまだまだ試行錯誤が続くように思えます。IPOが常に超割高で取引がスタートしますので、その後は下がるばかり。一夜限りのIPO売買を投資といえるかどうかは疑問です。ただ国家経済的に考えますと、新しい事業は国家の発展の基礎そのものになりますので、人気が出て高値で始まっても仕方なく、十分に存在意義はあります。
更新日
2007年06月26日 火曜日
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