07/07/03
個人投資家──常識への挑戦
個人投資家の市場への参加が多くなるにつれ、各所から必ず提案される投資のポイントが「長期投資」である。いわく、「短期投資はスペキュレーションで損が出る、投資家というものは優良な株を長期投資すべきだ」と。まあ、それはそれで間違いではないが、今僕は個人投資家の立場にたって、はじめて気づいたことがある。それは「個人投資家にとって長期投資は至難であり、もし長期投資していても、それは塩漬けの別称になっているのではないか」と。機関投資家というのは資金量が豊富で、かつ自前の調査網を持っている。
つまり銘柄が選別できて、将来が読めればまさしく長期投資が優れる。長期投資とは機関投資家のツールなのだ。誰でも知っているソニーの歴史がそれを物語っている。では個人投資家のあなたは、どうやって第二、第三の(幼児期の)ソニーを見つけられるのか。たとえ優良銘柄に出会っても、資金量の少ない個人投資家は押し目買いもままならない。まして日常的に、引っ越しとか、教育、旅行、結婚などまとまった現金のニーズは多い。
海外では「株式投資より投信を」と、個人は資産形成の柱に投信を持ってくる。わが国ではせっかくの有望商品である投信の存在価値が薄い。実際、投信の強さは長期投資にある。投信なら配当再投資プランが複利効果を生み、上述の資金ニーズに応えてくれる。投信ならポートフォリオだから短期に大幅値上がりなどはなく、また利食いしようとて手数料を考えるとコストが高くなる。問題は長期に保有できる投信のブランドがあるかどうかである。外国の専門会社には長期に繁栄する投信サンプルはいくらでもある。国民の強い貯蓄選好に加え、プロフェッショナルの養成、競争の排除といった制度の遅れがわが国では尾を引いている。
もう一度話を元に戻すと、僕としては「投資というものは短期、中期、長期、みんなあり」である。別に長期のみが個人の最良の投資でもないと思うのだが。人によって資金の性格が異なり、投資期間も違うのが普通。僕の場合は、短期投資は1カ月くらい、中期は6カ月から1年、1年以上が長期投資と思っている。
僕の短期投資は①ある程度の期間保有しようと思っていたが、あっという間に値上がりしてしまい、売らざるを得なくなった銘柄、②相場のテーマに勢いがあって、多少のプレミアム(割高料)を払ってもいけると思ったもの、などだ。人気のE-トレードは短期投資にうってつけだろう。というのは株価と市場情報にオンタイムで接続できるし、売買アクションも手早くできる。問題は何時も勝てるわけではないということ。損失を最小にくいとめる方法として、欧米では常識の「ストップロスオーダー(買ったときその値段より下値で売り指値ができる)」を利用してもいい。
中期投資は四半期、半年の決算を見込んだ投資になるので、よりファンダメンタル重視だ。割安銘柄探しもこの視点から出発する。決算の結果が株価を左右するので、いい会社というのはおのずから①予想値があまり狂わない、②経営方針が明確に伝わってくる、③財務内容が健全である、④IRが正直である、⑤下方修正を繰り返さない、などの要素をチェックしたい。
四季報一冊でも大体のチェックはなんとかなるものである。長期投資は前述の①短期投資の「なれの果て」論のほかに、②経営者、業態、ビジネスモデルなどの評価が高くて、末永く付き合いたくなるような企業を見つけることだ。
孫と一緒によく行くトイザらス(ベビーザらス)や、インターネットを立ち上げて支援してくれたテレウェイブなど、身の回りのストーリーを長期投資に反映させるのが僕は好きだけど。「出会いの偶然性と神秘性」なんて、少々大げさかな。
さてそこで、
悪い投資家とは「いつでも値上がりさえすれば結果オーライとばかり、値下がりに神経質になり愚痴ばかりこぼす」
更新日
2007年07月03日 火曜日
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