07/08/14
マクロよさらば その1
昨今は力強いマクロの指標が次々と登場して喜ばしいことである。そういったデータが強気の相場観を裏づけているのは確かである。さて、個人投資家のおしゃべりを店頭とか本屋で小耳にはさむと、よく「マクロ経済と政治」を議論している人を見かける。僕の経歴が「ボトムアップ」「ミクロベース」で株式ポートフォリオを組んできたので、余計そう思うのかもしれないが、マクロ議論はなにか不毛のような気がしてならない。もちろん議論そのものを批判しているのではない。ただマクロ経済や政治を株式投資に活用するのはいただけないと思うだけである。
長い目で見れば、たとえば3年とか5年とか、経済のファンダメンタルズ(GDP、物価、生産、機械受注、金利、輸出、為替、それに新規住宅着工、自動車販売など)はしっかり株式市場に影響を与えている。景気が良くなるということはそういった指標が良くなるということだから。だが、マクロ経済を使って株式投資を決定するにはムリがあろうというものだ。株式投資の基本は「いい銘柄を割安に買う」ことだけでよい。そういった銘柄を見つける努力はすべきだが、ほかのことは、言ってみればムダである。上げ相場の「人気につく」だけならそれも手だが、このやり方はイージーで、危ない。
たとえばGDP。国民総生産は2カ月遅れで発表になる。だから数字が出たからといって「それっ」というには遅い。まあ、一国の経済だから、4半期ごとにプラスになったりマイナスになったりすることはまれである。ということはある程度好不況の傾向は出てくる。GDPは3期連続でマイナス成長すると〝不況極まれり〟ということになって総理や政党が無策と批判される。ムリにこじつければ、この時期は買い時である。しかしその前の好況時に売って資金が手元になければならない、が大抵の人は高値で売り損ねている。それにしても「何を買うの?」という大事な原則の解決にはならない。「日銀短観」というものがある。新聞で大きく取り上げられるが、これは使えない。たこが足を食っているようなもの。「企業のトップが景気をどう見ているかのアンケート」が日銀短観だから、それをもとにして相場観を立てるのは間違っている。(次回へ続く)
更新日
2007年08月14日 火曜日
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