07/10/23
不祥事との付き合い方
企業の不祥事は今や日常茶飯事化している。やれ「有報の虚偽報告」だ、やれ「インサイダー問題」だ、やれ「偽ラベル」、やれ「脱税」だと枚挙の暇も無い。無論、多くは「ルール違反」が取りあげられ、時にはモラル問題が批判される。
投資家の反応は、
①「え?なんだこれは」の驚きに始まり、
②「社長の弁解は? マスコミの反応は? TVの解説は?」と気になり、
③「まずいぞ、株が暴落する」と絶望的になる。
そして大抵の投資家はなすすべもなく様子を見てしまう。不祥事の重大さがよく読めないからだ。株価はあっという間に20%も下がってしまう。もしくは不祥事の内容を株価が把握できずに2〜3日横ばいのままでいることもある。投資家の手元に残されたものは「後悔の念」と「ボロ株」である。
毎日うんざりするほどの批判を浴びる企業の株を持っているより、いっそ投げてすっきりしたほうがいいのではないか。私はそこで提案したい。
①悪いニュースを聞いたとき、 直ちに証券会社に電話して 、持ち株を売る(もしくはご自分のPCを開いて売り注文を出す)。
②直ちに行動できないときは、仕方なく保有するが、会社の更生計画をしっかりと見守る。
③株価が大幅に下落したら、会社が立ち直る方向にあれば買い増しする。
いずれにしても投資家には試練である。不祥事の多くは企業体質(伝統とか文化も含めて)によるところが多い。「組織ぐるみ」とよく言われるが、組織ぐるみは始末におえない。不祥事を生み出す体質だから、何回でも繰り返す。①の投げてしまうというのは、その企業体質では絶望だといっているのである。個人投資家はまだいい。機関投資家は保有株式が大量だから売りに回ると自分で自分の首をしめてしまう。しかし、顧客に対する説明責任があり、そのたぐいの株式を保有していると厄介なことにもなる。
多くの投資家は直ちに行動できない。仕方なく塩づけみたいに保有することになる。不祥事は洋の東西を問わずいくらでもあり、珍しいことではない。問題は企業が立ち直れるかどうかである。企業は自力で、または他力で立ち直る計画を立てる。株主にはお詫びして、更生を誓う。ここは注目に値する。エンロンや山一證券のように不祥事をきっかけにつぶれた企業もあるが、昨今企業更生のプロも多く、工夫次第で立ち直りが十分可能な時代になった。「立ち直りのプラン」を見て納得がいったら、株を我慢して保有してもいい。
企業には有形無形の価値があり、株価もどこかで下げ止まる。その水準がどこかはなかなか難しいが、実際には下げ止まってしばらく低迷しているところ辺りではないだろうか。あなたの簿価が高ければ、その水準はアベレージダウン(押し目買い)の格好のレベルになるのではないだろうか。問題はあなたがその企業に失望して嫌っているということである。嫌いな株の買い増しにはちょっとした勇気がいる。
不祥事に直面して、
悪い投資家は、
「とにかく厄介払いとばかり、無考えに持ち株を投げ売ってしまう。そしてあとで批判ばかりする」
良い投資家は、突然一株株主になって、企業に還元を声高に要求するようなことをしないで、
「投資した企業の、または好きな企業の必死の更生を暖かい目で見守ってあげられる」
という株主権(?)を行使する。
企業はあなた方から多くを学ぶだろう。
更新日
2007年10月23日 火曜日
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