08/02/05
外国証券投資の仕方 前編
昨今、対外証券投資が日常茶飯事になっているのを知り、たいへん驚いています。10年程前では外国の株式、債券、為替などの投資は神経を使わなければならず、私たち日本ベースの機関投資家はとても慎重でした。実は今でも機関投資家としては結構慎重な態度を持ちつづけているところも少なくないと思います。多くのリスクがある海外の証券投資ですが、とりあえず発展途上国などは「日本のミラーイメージ」(見本になっている)があります。つまり「20年前の日本と同じ状況にある」といったようなことです。経済成長ならば確かに日本の20年前は二桁の成長を遂げていたし、また今日の発展途上国もほぼ二桁の成長を遂げつつあります。株式は天井知らずのように上がり、為替では日本の場合、過去25年かけて360円時代から79円という超高値を経験して、110円近辺までほぼ一貫して円高に推移しました。つまり株式と為替の両面で発展途上国投資は妙味があるというわけです。
日本のような生産輸出大国になるには、安い資金供給と勤勉な労働力が必要です。また成長の「車の両輪」にあたる消費大国になるには、中産階級といわれる中間層人口が厚くなければならないでしょう。投資先の国では体制とか仕組み(政治の安定とか、投資環境とか)が確りしていなければ外国からの投資は呼び込めません。各国の事情によって成長の仕方が違うかもしれない。または日本と同じ成長の軌跡を追うならばかつての日本と似た条件があるかどうかは気になるところです。一夜にして法律を変えて儲かる企業から税金を吸い上げてしまうような中央集権体制のもとでは、また適切な労働分配率といって、成長の成果を労働者に分け与えないということなれば、先進国の投資家が望む民主主義的な経済体制は絵に描いた餅になってしまいます。
私たちがなぜ対外証券投資に慎重かというと、多くの国がわが国と同じようなディスクロージャー制度や会計原則を採用していないからです。つまりそれだけリスクが大きいというわけです。プロの投資家はその国の売上や利益や税金が正しく表示されていればこそ投資ができるのであって、毎年会計原則が変ったり、期末に大幅な利益の修正が入ったりすれば投資というものはやりにくいことは当然です。いろいろな株式を推奨している証券会社もそのあたりは確り押さえていただきたいと思います。ということで、個別の株式よりもファンドでの投資が勧められていますが、これはいい方法でしょう。カントリーファンドならばおかしな企業がたまに組み入れてあっても、ポートフォリオ全体では成功するからです。
更新日
2008年02月05日 火曜日
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