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紙・パルプの分野において、
世界で五指に数えられる
トップ企業をめざす
株式会社日本製紙グループ本社 第二回
先を見据えた長期経営計画
「グループビジョン2015」
「グループビジョン2015」
紙・パルプと言えば、日本国内ではすでに成熟期を迎えた産業だというイメージがあるかもしれない。しかしながら、先進国と伸び盛りの新興諸国との間には、かなりの温度差があるのが実情であろう。世界的に紙・パルプの需要は、さらに大幅な拡大を遂げる見込みだ。
中国を筆頭に、アジアの新興諸国は目覚しい経済成長を遂げており、紙・パルプの需要も著しい伸びを示している。BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)という言葉も生まれたように、アジアのみならずロシアや東欧、南米といった地域でも市場は急拡大している。
これに対し、日本や欧州での需要は緩やかな拡大基調にとどまっており、北米市場に至ってはやや減少傾向がうかがえる。とはいえ、米国景気は非常に底堅く、人口も増加していることなどから、今後は横ばいに転じたうえで、やがては緩やかな拡大方向に向かうと見られる。
こうした需要の伸びを背景に中国の紙・パルプ業界では大掛かりな増産が続いている。これを受けて、日本の製紙メーカーも熾烈な国際競争に巻き込まれることになるのは必然だ。もはや国内における大幅な需要拡大は期待できないうえ、市況品種を中心に輸入紙の台頭が目立っているのがシビアな現実である。
したがって、急拡大を遂げる海外市場で確実にシェアを獲得していくことは、日本の製紙メーカーに残された活路であり、生命線でもあると言えるだろう。そして、そのためにも国際競争力の強化は必要不可欠となってくる。
当然のことながら、日本製紙グループもそのような熾烈な国際競争に勝ち抜き、海外市場の成長を享受することをめざしている。そのうえで、世界で五指に数えられるトップグループとなることを目標として、長期経営計画「グループビジョン2015」を策定。その実現に向けて、様々な戦略を打ち出しているのだ。
具体的に2015年にめざしているのは、まず1.5兆~2兆円の連結売上高である。加えて、国内で安定的に1000億円の連結営業利益を達成するとともに、国際的にも着実に収益を獲得し、事業ポートフォリオを国内7割・海外3割とすることなどを目標としている。
もちろん、単に売上規模を拡大するだけにとどまらず、それに見合った収益力や財務体質の強化を図ることも欠かせない。同時に、環境保全や資源問題についても、地球規模で対処していかなければならないだろう。
CO2対策や植林推進といったプロジェクトに対し、企業としてどう取り組んでいけるのかを、世界がシビアな目で評価する時代となっている。日本製紙グループも世界のトップ企業として技術力をさらに高めていくことに加えて、CSR(企業の社会的責任)においても高く評価される企業になることをめざすという。
中期経営計画に沿って
「攻め」の戦略を展開中
「攻め」の戦略を展開中
国内における紙・パルプ市場は、高齢化や人口減少が進むにつれて、需要が伸び悩んでいくものと思われる。その一方で、国際競争は激化の一途を辿っているうえ、昨今は原燃料価格の高騰も収益の圧迫要因となってきた。さらに、地球環境への配慮という側面からも、「オイルレス化=新エネルギーボイラー」が重要課題の一つとなっている。
こうした背景を踏まえて、日本製紙グループが「攻めの経営」を実践するための指針として2006年5月に発表したのが「第2次中期経営計画(2006~2008年度)」である。簡単にその概要を説明すると、まず国際競争力を高めるための具体策として掲げているのが「国内基幹工場への大型集中投資」だ。
特に競合が熾烈なアジア市場で勝ち抜くためには大掛かりな設備投資が不可欠であり、併せて嵩高紙・省資源紙の積極展開を図るなど、これまでに蓄積してきた最先端技術を存分に活用することも重要になってくる。また、2006年4月から立ち上げたアグリバイオ事業のように、新たな分野への進出も有効である。
もちろん、体制強化も避けては通れない課題だ。同グループでは、人的資源の戦略的再配置や技能継承、現場力強化、海外要員育成とともに、持株会社の体制整備やガバナンス(企業統治)の強化を進めている。オイルレス化については、木屑などのバイオマス燃料を積極的に活用することで脱重油を推進。新聞用紙への古紙配合についても、現状の75%程度から85%程度に高めていく方針だという。
無論、これらの主要施策を実施するためには相応の投資が求められる。日本製紙グループでは、①オイルレス化(新ボイラー増設)に760億円、②省資源化(古紙パルプ増配対策)に70億円、③国際競争力の追求(国内洋紙生産設備の大規模なスクラップ&ビルド)に630億円を割り当て、3年間で3000億円の積極投資を実施する計画を立てている。
言うまでもなく、この「第2次中期経営計画」の延長線上にあるのは、長期経営計画「グループビジョン2015」だ。将来的に国際的なトップグループとして成長するための一環として、国内における中核事業の強化を進め、将来の海外展開に向けた準備を行うのが「第2次中期経営計画」なのである。
国内の中核事業である紙・パルプにおいて、同グループは原料調達や輸送に有利な臨海型大型工場を国内の東西に配している。こうした大きな強みを生かしながら主要施策を着実に実行し、中期計画の最終年度には800億円の営業利益達成をめざしているのだ。
競争力強化と経営の安定化に結びつく業界再編においても、日本製紙グループは他をリードする存在となっている。北越製紙との提携は、世界に通用する大型臨海工場(石巻・岩国・新潟)の相互強化や、海外展開における戦略品種「軽量塗工紙」への注力を目的としたもので、早い段階での相乗効果が期待される。
一方、板紙・段ボールの最大手であるレンゴー、大手総合商社の住友商事との提携にも大きな意味がある。実は、日本製紙グループにとってこの分野は“アキレス腱”であり、2社と手を組むことで総合的補完を図れ、海外販売拡大に向けた体制も整備できるのだ。
これらの積極的な施策は将来の成長を見据えてのものだが、足元でも日本製紙グループは株主重視の姿勢を示している。安定配当を維持することに加えて情報開示にも注力し、そのホームページは優良サイトとして表彰を受けている。同グループでは、今後も改善を加えて、より充実した情報開示を実践するという。






