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日の丸半導体を世に問うベンチャーの星
ザインエレクトロニクス株式会社
(6769、ジャスダック、12月期)
日の丸半導体を世に問うベンチャーの星
ザインエレクトロニクス株式会社
(6769、ジャスダック、12月期)
ザインエレクトロニクスが8月9日発表した2007年12月期中間決算は以下の通りとなった。(単位:百万円、( )は前年度期比増減率:%)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 中間(当期)純利益 | |
| 2007年12月中間期 | 6,832(△40.2) | 435(△27.4) | 536(△4.6) | 320(△4.9) |
| 2006年12月中間期 | 11.426(△31.7) | 598(△38.2) | 583(△42.2) | 326(△43.5) |
| 2006年12月期 | 21,610 | 1,343 | 1,437 | 920 |
当期は同社の売上高に大きな影響を持つフラットパネルディスプレイ(FPD)市場で競争が激化した。FPD事業は同社の中で出荷数量が多い。このため、大量の人員を割く必要がある。同社では従来、これを避けるため、同社の回路設計を採用した商品を仕入れて販売する形態(同社ではこれを「IP内蔵商品ビジネス」と呼んでいる。IP:知財)を一部採用してきた。
この事業が当期、大きく減少した。
同社の売上総利益を事業分野別に見ると、テレビ向け46%、PCモニター・プロジェクター22%、ライセンス・ビジネス27%、その他5%となっているが、テレビ・モニターの価格下落が2005年から今年にかけて続いていることが影響している。
一方、中期戦略市場のひとつである高精細テレビ向け事業では高速インターフェース(テレビの内部で使用される情報伝送用のLSI)などのLSIが順調に伸びた。また、新製品のLVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動信号伝送方式を用いたインターフェース)の量産を開始した。これはフルHD(高解像度)の画像を1チップで送信できるLSIで、フルHDテレビの倍速表示に対応し、今後、出荷が伸びると見込んでいる。消費電力、ノイズを少なくした高速インターフェースで、ハイビジョンの最高品質モードである10億色タイプに対応している。
また、同じくフルHD用のアナログ・デジタル変換用LSI・新製品を複数のテレビメーカー向けに4月から量産出荷を開始した。高精細テレビ向けに業界最高速の動作速度を持ち、DVDレコーダーの画像を高精細テレビに取り込んでコンテンツの魅力を十分に発揮させることができる。新製品が搭載された高精細テレビは既に販売されており、今後、拡販に努める。
さらに電源制御用LSIでは液晶パネル内で異なる電圧の複数の電源を連動して制御するPowerlinker機能を内蔵したLSIが高精細テレビ市場向けに順調に推移した。電源の耐久性が大幅に向上し、部品点数も少なくなる。当期、プルーレイディスクレコーダー、DVDレコーダー向けで立ち上がったが、今後はテレビの画像エンジン向け、デジタル家電市場も対象とする。
同社の新インターフェース技術「V-by-One 」を用いた第1世代製品をネットワークカメラ向けに量産出荷を開始した。同技術は、従来品よりも長距離地点間をリアルタイムでデジタル情報伝送を1対のケープルで可能とする技術で、今後、カーナビ、自動車内マルチメディア、事務機器などへの応用が期待されている。
高周波無線用LSIは事業立ち上げに当たり、潜在顧客向けに営業を行っているが、出荷数量は低水準に留まっている。簡易タイプのポータブル型カーナビの新機種向けに、FMトランスミッターの出荷を開始し、今後、着実に数量が伸びる見込み。
なお、同社は今後の競争激化に備え、IP内蔵商品ビジネスを抑制し、IP(回路設計資産)そのものをライセンスするビジネスを強化する方針。このため、従来のIP内蔵商品ビジネスの売上高が今後、減少する傾向にあるが、このビジネスによる売上総利益率は低く、利益に対して影響は低く、逆にIPを活用したライセンス・ビジネスの拡大により売上総利益率を向上させる方針でいる。
半期ごとの売上総利益率の推移、および①IP内蔵商品ビジネス、②LSIを研究開発し販売するビジネス(研究開発品ビジネス)、③ライセンス・ビジネス――の分野別売上高、売上総利益は以下の通り。
2007年12月通期については、薄型テレビは高精細製品を中心として数量の拡大が見込まれる。また、今後、フルHDテレビや倍速表示に対応した高精細テレビが増加することにより、高付加価値製品の需要も拡大すると考えられる。他方、IP内蔵商品ビジネスの出荷については、低水準で推移すると見込まれる。以上により、売上高133億88百万円(対前期比38.0%減)、経常利益11億11百万円(同22.7%減)、当期純利益は6億63百万円(同27.9%減)を見込んでいる。
同社は東大大学院で工学博士号を取得した後東芝に入社し、一貫して半導体開発に携わり、半導体技術研究所の第2LSI開発部長になるなど将来の役員候補と目されていた飯塚哲哉社長が1991年、44歳で独立して創業した。日本で数少ない半導体集積回路設計に特化したファブレスメーカー。生産を外注化し、設備負担を軽減して、研究開発に特化している。1992年に液晶ディスプレイ用半導体で韓国のサムスン電子との合弁により、同社を設立し、1997年に合弁を解消、自社ブランド製品を出荷開始した。JASDAQへの上場は2001年。
2007年から3ヵ年で新製品利益力を3倍にする中期経営方針「Act3-3-3」を推進中。
その中心となる施策は、前述のように売上で減少している利益率の低い液晶モニター向けなどIP内蔵商品ビジネスは利益率100%のライセンス・ビジネスに切り替えてその比率を下げる一方、高精細テレビ、デジタル家電、車載向けなど高付加価値製品を中心とした研究開発品の利益を重視して業務内容のシフトを図る計画。
このための研究開発費も薄型テレビ、携帯・音楽機器、車載機器向けに新しい分野の立ち上げを含めて当期6億5百万円、通期で14億44百万円を計画している。






