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日本の半導体・電子部品流通市場を変革する
株式会社チップワンストップ
(3343、マザーズ、12月期)
日本の半導体・電子部品流通市場を変革する
株式会社チップワンストップ
(3343、マザーズ、12月期)
チップワンストップが8月15日発表した2007年12月期中間期の連結決算は以下のように、売上高、営業利益、経常利益はいずれも対前期比マイナスとなったが、中間期純利益は大幅増となった。売上総利益率は前期比改善したものの、主力の電子デバイス事業(半導体・電子部品のインターネット販売)の売上が受注単価の低下により減少したことで、営業利益は減少となった。ただ、当期純利益は特別利益としてメディアコミュニケーション事業を手がける連結子会社E2パブリッシングの株式の一部譲渡と、増資による持分変動損益を計上したため、前期比増となった。
2007年1月1日~6月30日の連結業績(単位:百万円、%は対前年中間期比)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 中間(当期)純利益 | |
| 2007年6月中間期 | 1,512(△5.5%) | 111(△15.3%) | 112(△18.6%) | 335(411.5%) |
| 2006年6月中間期 | 1,601(90.8%) | 132(1,058.6%) | 137(1,014.5%) | 65(―) |
| 2006年12月期 | 3,349(62.5%) | 325(280.3%) | 325(270.1%) | 182(976.2%) |
セグメント別では――
①事業の中心である電子デバイス事業は売上高1,194百万円(前年同期比17.3%減)営業利益71百万円(同50.0%減)となった。
特に緊急調達ニーズによる大口スポット受注の減少による受注単価の低下のため、売上高は減少したが、サーチワード広告、カタログ、展示会などを通じた設計・開発エンジニアおよび購買担当者向けの各種プロモーションにより、Webサイト会員数が前期比31.7%増加して当期末38,834名に拡大した。受注単価の低下やブレを補って余りある、登録会員数、受注会員数、受注件数向上をどう図るかが今後の鍵となる。
②ソリューション事業は売上高138百万円(同305.9%増)、営業利益52百万円(同160.0%増)となった。
技術情報データベースのライセンス販売や、マーケティング支援、既存顧客向けソフトウエア保守収入、ベンチャーファンド「イノーヴァ」からのアドバイザリー収入、連結子会社ジェイチップの半導体・電子部品調達プロセスと品質評価コンサルティング収入などが順調であった。
③メディアコミュニケーション事業は売上高179百万円(同45.5%増)、営業損失12百万円となった。
連結子会社E2パブリッシングを通じて、月刊技術情報誌「EETimes Japan」を発行しており、今期から海外版広告の取り扱いも開始したこともあって、売上高は大幅増加し、販売管理費を効率的に運用したことから営業損失は前期の31百万円から大きく改善した。
同社は半導体・電子部品を文字通り"ワンストップ"で調達できるネット取引の運営会社。設立からわずか3年8カ月で東証マザーズに上場。さらにメディアコミュニケーション事業、半導体・電子部品の品質評価コンサルティング事業、ベンチャーファンドの設立など躍進が続く。
高乗正行社長は日商岩井の出身。チップワンストップは図研などの出資を受け、2001年に設立された。当初5名でのスタートだったが、メーカー系列にとらわれない少量多品種の半導体・電子部品の即納体制で日本のエレクトロニクスエンジニアのニーズをつかんだ。
「製品を大量生産する大企業は購買部が担当し、部品調達に苦労することは少ないが、小ロットの産業用装置メーカーは部品の入手で苦労している。米国には同様のビジネスモデルが存在するが、日本では秋葉原か、地方の小商社が対応する状況だった」と高乗社長は語る。
現在同社は、550万種以上の部品型番、技術情報、購買情報などのデータベースを有し、850社以上の部品メーカー、特約店と協調関係にある。顧客はインターネットにより、同社webサイトを通じて"ワンストップ"で必要な部品を手に入れることができる。
同社によると日本の半導体および一般電子部品の消費市場は約5~6兆円の規模だが、日本の製造業が大量生産から研究開発にシフトしてきているため、開発の迅速化がいっそう求められ、部品調達では従来のメーカーごとの縦割り供給体制では不都合になってきている。従来は電子機器メーカーが企画・開発から製造・販売まですべてを手がけていたが、最近では開発や試作を手がけるデザインハウスや、製造などを外部のパートナーに依頼し、専門性、スピードアップ、少量多品種に対応する"水平分業モデル"が盛んになってきた。
5~6兆円市場のうち、約4,000~5,000億円は中小ロット調達のデザインハウス、試作開発用途などの需要であり、同社はこの領域を主たるターゲットにしている。担当者数で見ると、国内の電気・電子部品技術者、部品調達担当者は40万人以上存在すると見られている。チップワンストップのWebサイト会員数は現在、約39,000人、約15,700社で、毎月1,000人規模で増加しており、「まだ大きな成長余力を残している」(高乗社長)としている。
当中間期における主なトピックスは、富士通の購買システム・イントラネットと連携して、同社の設計・技術部門のエンジニアに対する半導体・電子部品のオンライン購入サービスを8月20日から開始したことである。
また、メディアコミュニケーション事業の強化拡充を目指して、インプレスホールディングスと資本提携。連結子会社・E2パブリッシング㈱の株式の一部を同社に譲渡、同時にE2パブリッシングの第三者割当増資を行い、E2プリッシングの新株をインプレスホールディングスに割り当てた。これにより、E2パブリッシングの株主構成はチップワンストップ60%、インプレスホールディングス40%となった。今後、インプレスグループとWebを用いた新サービスの開発や、広告営業の共同展開などを進めていく。
07年12月期通期の業績予想は以下の通り。(単位:百万円、%は対前期比)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 中間(当期)純利益 | |
| 2007年12月期 | 3,156(△5.8) | 167(△48.7) | 167(△48.6) | 367(101.6) |
電子デバイス事業では継続してWebサービスの拡大、カタログなどを使用した販売促進に注力する。カタログでは、特選版を大型化した新しい体裁のカタログを新たに作成するほか、仕入先との連携による品揃えの強化を予定している。また、富士通と開始した顧客イントラネットとの連携は、今後、他の電機・電子メーカーへ拡大していく。
ソリューション事業では、ジェイチップのコンサルティング事業の取引先に3月決算企業が多いため、上期偏重の傾向にあるが、下期は上期より伸び悩むことが予想される。
一方、メディアコミュニケーション事業はIT・エレクトロニクス総合展示会の「CEATEC」等にあわせた半導体・電子部品メーカーの新製品のプロモーション等により、広告収入の伸びが期待される。
販売管理費については、人材投資と、カタログを含めたプロモーション投資は増加を予定している。
中期的成長戦略としては、電子デバイス事業を中心に、ソリューション事業、メディアコミュニケーション事業を補完的に連携する基本方針を維持する。
顧客のイントラとの連携に続いて、部品メーカーのバックヤード全般の受注を計画しているほか、小口物流システムの拡充を図り、継続投資を行っていく。さらに、「当初から構想しているアジア市場への進出のチャンスを伺う」(高乗社長)としている。
これらにより、売上および経常利益の年率20%以上成長の持続と、売上100億円の早期達成を目指している。高乗社長は「このレベルが達成されれば、次のステージへ進むことが可能になる」と語っている。






