キーウェアソリューションズ株式会社
ユビキタス社会の扉を開く鍵
(JASDAQ:3799 3月期)
ユビキタス社会の扉を開く鍵
キーウェアソリューションズの歴史は日本のSIの歴史と言える。同社は1965年、日本のコンピューター産業の黎明期に日本電子開発株式会社として産声を上げて以来、40年以上にもわたり航空路管制や鉄道料金収受管理、金融機関の基幹システムなど、社会インフラに近い部分のシステム開発に携わってきた。
2006年にはジャスダックに上場、現在、従業員1,032名、売上高200億6百万円、資本金17億37百万円に成長してきた。
さらに、今後、成長分野として経営とITを一体化したソリューションサービス「keyCOMPASS」、ITとネットワーク統合ソリューションとしてIP電話事業を軸に、2010年3月期に売上高240億円、売上総利益率24%を目標とした中期経営計画"ダッシュ24"を推進中である。
IT企業にとって成長のキーは技術力とそれを担う人材力に間違いない。このため各社、人材戦略には力を注いでいるが、同社の躍進を支えるのは「現場力」と八反田 博社長は語る。
八反田社長は、「社会との関わりで大切にしていくことは何か」との質問に対して、次のように語っている。「一言で言うと"ぶれない経営"を続けることです。量の商売をすると質が落ちます。一方で、韓国、中国、ロシア、ベトナムなど日本を取り巻く地域からの底上げがあります。その意味では、舵取りがますます難しくなり、おちおちしてはいられません。この"ぶれない経営"を続けるために大切なことが二つあります。ひとつは、顧客満足度。われわれはサービス業であり、目に見えないものをしっかりとやっていくためには、お客様の満足度が基準となります。もうひとつは、人材で、社員を信頼することが当社の原点にあります」。
また、「強い現場力」については「優れた現場は、個人一人ひとりがチームの中で重要な役割を担っています。正社員であろうが、パートであろうが実力次第でポジショニングされます。私は日頃、"強い現場力"と言っていますが、チームを形成する5~10人の個の力、知恵、知力を現場でパーフェクトに発揮できるように常に努力することが大切で、こうした観点から、社員教育を実施しています」と語っている。
同社の業績を直近の2008年3月期中間決算で見てみる。
(単位:百万円、( )内は前期比、%)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 |
当期(中間期) 純利益 |
|
|
2008年3月期 中間期 |
9,480 (17.0) |
265 (26.4) |
231 (70.2) |
78 (28.0) |
|
2007年3月期 中間期 |
8,101 (△2.0) |
210 (△44.3) |
135 (△61.9) |
61 (△85.4) |
| 2007年3月期 |
20,006 (8.0) |
824 (25.7) |
840 (14.9) |
548 (△20.4) |
|
2008年3月期 予想 |
21,400 (7.0) |
927 (12.5) |
959 (14.2) |
480 (△12.4) |
2007年3月中間期のシステム開発事業は好調であったが、総合サービス事業がERPの一般顧客向けおよびEIP、グループウエア分野が不調だったほか、keyCOMPASSによる経営コンサルティング案件とIP電話事業もスタートしたばかりで大きく利益に貢献はしていなかった。
これに比して当、2008年3月中間期では、システム開発事業は官公庁、自治体、通信業、運輸業、金融業およびネットワーク監視業務向けなど、ほぼすべての業種向けで好調だった。また、中国・モンゴルなどでのオフショア開発を進め、収益性を高めている。総合サービス事業は、ERP事業が新規獲得の大手顧客案件、主要顧客向けプロジェクトが安定しているほか、今年度新設した医療事業部が開発したパッケージが好調。また、keyCOMPASSによる「経営とITの統合コンサルティング」案件も実績を上げてきた。
なお、事業区分別販売実績では、システム開発事業が5,304百万円(前年同期比3.7%増)、総合サービス事業が4,175百万円(同39.9%)。

同社は今後、中期経営計画"ダッシュ24"の下にさらなる成長を目指すが、そのため2つのマーケティング方法を採用するとしている。一つはプライム型ビジネスで、顧客企業の上流から下流までのビジネス領域をカーバーし、ITを活かした企業経営へのマーケティング活動の強化。もう一つはパートナー型ビジネスで日本電気をはじめとする関係会社と協力した受託開発・運用など。この一環として、今年度、人材派遣事業をスタートした。
また、事業分野を安定分野、有望分野、成長分野、に分けそれぞれの戦略を打ち出している。安定分野では、これまでのNTT料金管理、JRのSuica関連の駅収入管理システム、航空路管制関連、通信など、高度な技術を必要とするオンリーワン業務のシステム化に今後も注力する。一方、有望分野としては、ERPではSAPジャパンとの協業、グループウエアでは日本IBM、情報インテグレーションでサン・マイクロシステムズとの協業などを軸に業務の拡大を目指す。成長分野についてはkeyCOMPASSとIP電話事業が中心となる。
なお、株主配当については株主へ積極的に利益を還元するため、「業績連動型配当」を実施する。これにより、2008年3月期は年間15円以上の配当金とする予定。




