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マネー・カレッジの投資再チャレンジ推進会議vol.1
「もう投資なんてコリゴリだよ」?
心安らかに見守る投資へ発想の転換
(もう投資なんてコリゴリだよ)
琢郎は、自宅のコンピュータの画面を見ながら、心の中でそう繰り返し
ていた。
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
岩本琢郎は、中堅の貿易会社、東西交易に勤務するサラリーマンである。
「仕事人間」とまでは言わないまでも、入社以来仕事に邁進してきた琢郎が
株式投資をはじめたのは、2年前に課長に昇進したことがキッカケだった。
40才で課長に昇進、というのは、まずはめでたいことではあったのだが、
管理職への昇進にともなって残業代が一切出なくなったのは痛かった。毎
月のお小遣いのアップも妻にも言い出せないまま、それならば、と、副収
入を求めて投資を始めたのだ。
素質があった、というべきか、もともとマメな上に、友人からは「タフ
郎」というあだ名をもらうほど我慢強い琢郎の性格は、株式投資に向いて
いるようだった。初めて買った株で3カ月もしないうちに20万円ほどの利
益を得て、投資歴2年の今ではすっかり一人前の投資家となっていた。
といって、デイトレーダーのようなマネはしない。あくまでも、自分の
本分はわきまえている。投資は自分が管理できる範囲で、一度に持つ銘柄
はせいぜい5~6本、400万円前後と言ったところだろう。
そんな琢郎が、「これは!」と、株式会社バリュープライムに目をつけた
のは、3カ月ほど前のことだった。たまたま目にした経済新聞のベタ記事
で取り上げられていた、中堅企業向けにグローバル調達をアウトソーシン
グするというサービスは、購買部門に長らく勤務した琢郎から見ても、良
い目の付け所だった。
しかも、PERから見ても株価は割安だ。これまでの経験から、バリュ
ー株を見つけて数カ月間値上がりを待つ、という投資スタイルを確立して
いた琢郎の目から見て、この銘柄は間違いなく「買い」と言える。もちろ
ん、財務諸表の確認も怠らない。流動比率も、インタレスト・カバレッジ
も、マザーズ上場企業としては申し分ないし、ざっくりと事業価値を計算
してみても、企業価値が時価総額を下回っていることが確認できた。株価
チャートを見つつ、売買のタイミングをはかって、成り行きで200万円
近い注文を入れたのは、琢郎の自信の現れだった。
ところが、まるで琢郎が買うのを見計らったかのように、バリュープラ
イムの株価は値を下げはじめた。最初(オレの読みに間違いはない。株価
は、下がれば上がるだけさ)と強がりを言う余裕もあったが、さすがに1
カ月で20%も下げると、チャートを見ながら胃が痛くなってきた。
(オレじゃない。こんな割安株を放っておくマーケットが間違っているんだ)
自分を励ますようにつぶやく琢郎だったが、いつのまにか日課にしていた
株価のチェックを止めるようになっていった……。

