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荒れ相場を乗り切るための心理学講座 第1回「狼狽売り」

荒れ相場を乗り切るための心理学講座
第1回「狼狽売り」
狼狽売りは「オレだけ」?
「なんであんなことをしちゃったんだろう……」
投資をしていると、誰でも悔やむことってありますよね。とくに口惜しいのが、いわゆる「狼狽売り」。株価が短期間に一気に下げると、パニックとでもいうのでしょうか、このまま株を持っていることに耐えきれなくなって、あわてて売ってしまう。でも、後になって振り返ってみると、売ったのは最悪のタイミングで、もうちょっと待てば損失の幅が少なかった……、というか、そもそも売る必要なかったじゃん! ということは、誰でも経験があるところでしょう。「オレはなんてバカなんだ……」と反省することしきりですが、ちょっと待ってください。狼狽売りで反省しているのは、「オレだけ」でしょうか?
そんなことはない、ですよね。多かれ少なかれ、全ての投資家が狼狽売りに似た経験はしているでしょう。だとしたら、「オレはなんてバカ」なのではなく、人間の心には、普遍的に、狼狽売りをしてしまうようなメカニズムが組み込まれているとは言えないでしょうか?
「あぁ、それって、行動ファイナンスだろ?」と勉強家の方は思うかもしれません。「人間は合理的ではないし、投資においてさまざまな心理的なエラーを起こす」という考え方の行動ファイナンスは最近流行の分野ですし、実際に行動ファイナンス理論を応用して高収益を目指す投資信託なんてあるぐらいです。
でも、これからお話するのは、ちょっと違います。行動ファイナンスのコンセプトを受け入れたうえで、「なぜ人間の心はそうなっているのか?」を解き明かしていこうという試みです。個人投資家にはその方が役に立つはず。だって、「投資家はこんなミスをしがちだ」というだけでなく、「そのミスの背後にある心の動きはこうだ」まで分かった方が、そのミスを避けられる可能性が高まりますから。では、さっそく、人間の心の動きのなりたちを、昔に立ち返ってひもといてみましょう。

