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特集1 医食同源 ― 健康志向ですすむボーダーレス化 ―

特集 1
医食同源
健康志向ですすむボーダーレス化
日常の生活の中にある健康志向。特定保健用食品を中心とした健康食品の市場は、その裾野を拡大し続けている。
食品業界と医薬品業界のボーダーレス化が進んでいる。

岩切 徹(本誌編集部)/取材・文

「医食同源」が生まれた背景

医食同源──。ある辞書には「中国で古くからいわれる」と解説されているように、いまや多くの人から、古くから伝わる言葉のように思われている。しかし、その歴史は意外に新しく、1972年、NHKの料理番組『きょうの料理』において、臨床医・新居裕久氏が発表した造語だ。

この造語が生まれた時代背景を振り返ると、1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博といった国家プロジェクトを経て、高度経済成長期(1955年?1973年)もそろそろ終わりに近づき、国民の生活にゆとりが出てきた時期である。消費面ではカラーテレビ・クーラー・自動車の3種類の耐久消費財が「新・三種の神器」(それぞれの頭文字から3Cとも呼ばれた)といわれ、普及していったことからも、それがうかがえるだろう。

一方で、高度経済成長を支えた「モーレツ」時代のツケ・弊害として、公害や環境破壊が深刻化していった時期でもあった。

時代は「モーレツからビューティフルへ」移行していく訳だが、「医食同源」は、まさにそんな時代の潮目を読んだ言葉といえるだろう。

その後、「医食同源」という言葉が、多くの人はもちろん、辞書でも「古くからいわれる」と誤解されるまで一般化したことからも分かるように、食による健康ブームは、その強弱はありながらも、今日に至るまで脈々と続いており、もはやブームではなく、我々の生活の底辺に流れている常識といっても過言ではないだろう。


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