HOME > JI本誌より > ji65号(2010年4月号) > 荒れ相場を乗り切るための心理学講座 第9回「損切りできない心に喝!」
![]()
![]()
荒れ相場を乗り切るための心理学講座 第9回「損切りできない心に喝!」

荒れ相場を乗り切るための心理学講座
第9回「損切りできない心に喝!」
イカリで一点に釘付けされる心理
日経平均株価の動きにヤキモキしている人、多いですよね。1万円を回復したのは良かったけれど、そこからモタモタして上がったり下がったり――。すぱっと気持ちよく上に抜けて、せめて買値を上回ってくれれば塩漬け株も売れるのに……なんて考えがちですが、実はこのとき心理のワナにすでに陥っていることに気づきました? 今回は、そんなワナを回避できる、誰もが使える「沈んだイカリの法則」を紹介します。
さて、イカリは英語で言うと「アンカー (anchor)」で、この言葉をもじった「アンカリング」というのが心理のワナで、先ほどの例で言えば「買値を上回ったら売れる」と、思いこんでいるのが典型例。だって、冷静に考えれば、大切なのは今の株価とこれからの値動き。もしも、これから値上がりが見込めるならばそのまま株を持っていたらいいし、逆に値動きに不安を感じるならば、売ってしまうのが正解です。値上がりするかどうか分からない株にお金を縛り付けておくのはもったいないですものね……と言う理屈は分かるけど、「そうは言っても売れないんだよぉ」というのが、まさに「アンカリング」。まるで心と言う船が、イカリで一カ所に釘付けされたように、買値という港から離れることができません。
ちなみにこのような心の動きは投資だけではなくって、日常のありとあらゆる場面で顔を出してきます。
たとえば、こんな経験ないですか?不景気のあおりを受けて、会社の経費を削減しようという会議を想像してみてください。いろいろアイデアが出るのはけっこう。ただ、誰かが不用意に「とりあえず、10%の削減をメドに考えてみましょう」なんて言ったとたんに、その数字にみんなの心はアンカリングされてしまいます。その数値目標が妥当かどうかの議論はそっちのけで、いつの間にか10%が目的として独り歩きを始めてしまうのです。
