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1932年の創業以来培われてきた安全性の高い高品質のホイスト・クレーン製品を提供する技術力とお客様のあらゆるニーズへの柔軟な対応力を武器に、当社グループは、国内での高いシェアをさらに拡大し、海外では子会社11社を拠点として積極的な事業展開を図ることにより、業績の回復と成長軌道への移行を果たしてきました。ここでは、代表取締役社長 鬼頭芳雄へのインタビューにより、当社グループのこれまでと、今後の展望についてお伝えします。
この度の再上場に至るまでの経過をお聞かせください。
当社グループは、2003年にカーライル・グループとの協業によるMBOの実施で非上場化いたしました。それ以前のバブル期には90%以上を国内マーケットに依存していたことと積極的な設備投資負担により、バブル崩壊後は、長引く景気低迷の影響を受け厳しい事業環境にありました。
また、現在ではすでに事業譲渡しておりますが、当時ホイスト・クレーン事業とともにもう一つの柱であった物流システム事業が、システムインテグレーションによる全体最適化やソフトウェアによるソリューションを求めるお客様のニーズに対応しきれず不採算事業化しておりました。そのような状況を打破するためには、海外市場での事業拡大を中心とした成長シナリオにシフトしていく必要がありましたが、そのための成長資金が不足している状況にありました。
こうした負のスパイラルから脱出するために、株式市場から一時退場し、成長軌道に移行していくという経営判断のもと、カーライル・グループによる資本を受け入れました。
その後、4年を経過し、自助努力の成果と資本受入の効果に加え、予想以上に国内市場が回復したことも相俟って、業績の急回復とともにさらなる成長に向けた基礎体力を確保するに至りました。
そして当社グループは、将来の成長の可能性を考え、事業のさらなる発展を目指すべく株式再上場への道を選択しました。成長性に対する、より大きな責任を伴う上場企業として再スタートしたことを常に認識し、当社グループに寄せていただくご期待に応えてまいりたいと考えています。
現在のキトーにおける事業戦略上のテーマは何でしょうか?
当社グループの事業は、言うなれば、重力に逆らって重たいものを持ち上げ、運び、固定するために必要であり、地球上の至るところで産業のある限り普遍的に求められる事業です。究極的には、お客様があたかも無重力空間でそれらの作業をできる製品提供と、それによりお客様の作業の安全性や生産性に寄与することを目指しております。
生産面においては、固定費負担に苦しんでいたかつての反省から、固定費の変動費化を進め需要変動への対応力を強化するとともに、重要なコア技術は内製を継続するなど基本的には自社でのものづくりを核として、お客様の信頼につながる品質を維持しています。
海外事業においては、北米、中国を中心とするアジア、欧州の3極体制の構築を進めており、現地マーケットに根差した販売を展開するとともに、各地域での生産体制の最適化に取り組んでいます。中国では、2005年の新工場建設に続き、今年さらに現地の需要増に対応すべく工場を増築中です。また、タイ・バンコク近郊にも新たなクレーン工場を建設中であります。
研究開発面においても、省エネルギーや環境対策、作業者にとって優しい製品づくりといった、さまざまな取り組みに注力しています。比較的ライフサイクルの長い製品群を扱う中で、当社グループは同業他社に比べて短い周期で、常に新しい製品を先駆的に市場に送り出しています。
一方、こうした事業戦略を進めていく上で、さらなる技術的発展と製品ラインナップの充実、および世界中にまだまだ存在する未開拓市場に対する市場参入・事業拡大が必要であると考えています。
また、現在の大きな課題は、人材の育成です。近年、とりわけ海外展開の積極化に伴い、会社の規模が急激に拡大している状況に合わせて、人員体制の強化を図ることが急務であると考えています。さらに、創業時からの精神や価値観といった当社の文化を伝承していくことも、大きな課題の一つと考えています。
当中間期における営業の取り組みと成果はいかがでしたか?
当中間期における世界経済の状況をみると、中国市場については引き続き力強い成長を維持しています。国内および北米市場については、米国におけるサブプライムローン問題の影響などから成長速度の鈍化懸念がありますが、国内の製造業等の底堅い設備投資に支えられ、マーケットは、ほぼ堅調に推移しました。
そうした事業環境のもと、当社グループは、国内における素材系および建設機械関連業界や液晶パネルなどハイテク・IT関連業界といった勢いのある業界にシフトした営業戦略が奏功するとともに、北米においてもさらなるシェアアップを確保し、順調な成果を上げることができました。
その結果、当中間期における連結業績は、売上高16,953百万円(前年同期比17.4%増)、営業利益2,518百万円(同23.0%増)、経常利益2,521百万円(同20.1%増)、中間純利益1,743百万円(同42.5%増)となりました。
下半期については、急激にマーケットの様相が変化することはないと思われますが、米国における長引くサブプライムローン問題等により先行き不透明感が強まる中で、過度な期待をせず、市場動向を慎重に捉えながら、エネルギー、環境関連等引き続き好調な業種への営業展開を強化していく考えでおります。同時に、次の成長を牽引するアジア・中南米・東欧といったマーケットへの種蒔きとなる活動を継続して進めていきます。通期の連結業績予想としては、売上高36,200百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益5,220百万円(前年同期比18.2%増)、経常利益5,180百万円(前年同期比14.6%増)、当期純利益3,300百万円(前年同期比18.4%増)を見込んでいます。
将来に向けた成長の方向性についてお聞かせください。
当社グループでは、5ヵ年の中期経営計画を前期からスタートさせ、現在2年目に入っておりますが、2年前の策定当時の状況と比較して、当社グループの成長が大きく加速しており、当初設定した数値目標についても前倒しで達成が可能な状況となっています。そのため、早急に中期経営計画の再策定を行う予定ですが、先ずは近未来に連結売上高500億円の達成を一つの通過点としています。
なお、当社グループは、安心・安全な製品と、キメ細やかなサービスの提供によりお客様の高い満足度と「キトー=信頼のブランド」という評価を得ることを目標としている企業です。売上やシェアといった成果は、そうした取り組みに対する評価としてついてくるものと考えており、当社グループはお客様の信頼の最大化を図り「真のグローバルNo.1のホイストメーカー」を目指すことで企業としての存在価値を高め、その結果として、収益の拡大を伴う株主価値の最大化を遂げていきたいと考えています。
「お客様の信頼」を得るために必要な要素として最も重要なものは、やはり人材であり、最終的には、キトーという組織が持っている人材の力による勝負になってくるだろうと考えています。
株主・投資家の皆様へのメッセージをお願いします。
当社グループは、東京証券取引所市場第一部への上場および創立75周年を記念し、また株主の皆様への感謝を込め、当期における1株当たり年間配当について、記念配当1,000円を含む6,000円を実施させていただく予定です。当中間期末においては、このうち3,000円の中間配当を実施させていただきました。
現在当社グループは、株主の皆様への利益還元に関する方針として、連結配当性向20%以上を維持することを掲げています。今後は、財務体質の一層の強化と世界的視野に立った将来の事業展開に備えるため内部留保を必要最低限確保した上で、株主還元策のさらなる充実について積極的に進めてまいります。
当社グループの事業内容は、株式市場から見て地味でニッチな分野ですが、人間の経済活動や産業において普遍的な役割を担っているビジネスです。その中で、製品の性能面と安心・安全に対する徹底的なこだわりを持ったメーカーとして、また上場企業として社会的貢献を果たし、お客様のご期待にお応えしていく所存でおります。
株主・投資家の皆様におかれましては、引き続き当社グループへのご理解と長期的なご支援を賜りますようお願い申し上げます。






