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ビジネス環境の進展もあり、利益体質へ転換し定着化
当社グループは、携帯電話をはじめとするモバイル機器の分野において、各種ソフトウェア開発とライセンス販売を行う「サービス開発事業」、携帯電話向け各種有料情報サイトの提供と、そのサービス提供自体をサポートする「コンテンツ事業」、そして法人向け業務システムの企画・開発から運用・保守まで総合的にサポートする「システムコンサルティング事業」の3事業を展開しています。
当社グループが位置するモバイル機器の分野では、携帯電話の高機能化・多機能化が進み、その利用も通話からメールやネットアクセスが主流になりつつあります。「ケータイ」は「電話」から「モバイル端末」へと変化しています。グローバルな視点で見れば、iPhone(アイフォン)をはじめとする新しいタイプの機器やサービスも相次いで登場し、今後も多くの企業から新たな製品・サービス提供が想定されています。こうした変化は、当社グループのモバイル機器向け組込みソフトウェア開発やサービス開発、またコンテンツ提供といった事業の可能性をさらに拡大しています。当社グループは、こうしたモバイル機器の進化に合わせて、また1歩先を見据えつつ、価値あるソフトウェアやサービス、コンテンツの創造をしていきたいと考えています。
前期には開発計画の遅れなどから業績は停滞を余儀なくされましたが、前述のモバイル機器の進化や活用の変化を背景に、また開発体制の整備・見直しを通じて、当期は利益体質への転換を進めることができました。今後も当社グループの基本スタンスである「成長分野への積極的な投資と安定的・持続的な成長の両立」を積極的に進めていきたいと考えています。
新しいビジネスの芽も。携帯電話による決済サービスを開始
当期、サービス開発事業では、引き続き、携帯電話向けバーコードリーダーの新機種搭載によるライセンス販売が順調に拡大しました。加えて、新しいアプリケーション・ソフトウェアの開発と市場投入を進めました。
その1つが、請求書のバーコードを携帯電話で読取り公共料金等のオンライン決済を可能にする新しいサービスです。例えば、現在は送付された請求書を持って金融機関やコンビニエンスストアなどに出向いて支払いを行っていますが、これが自分の携帯電話で簡単に支払い処理ができるようになります。請求書のバーコードを携帯電話のカメラで読取り、クレジットカードでの支払いやネット銀行の口座引き落としなどの方法を指定して決済ができるというサービスです。各種支払いを行う場合、請求書記載の個人情報が他人の目に触れることも避けられます。この新決済サービスは好評で、今後、着実に浸透していくと考えています。
また、新しい組込みソフトウェアやサービスの開発体制を一層強化しており、このほかにも、いくつかの開発プロジェクトが現在も進行中です。
利用者のニーズに即応するコンテンツ提供の体制を確立
コンテンツ事業においては、携帯電話向け有料コンテンツ配信サービスの基盤整備に取り組みました。サイトごとに専任担当者を配置し、サイトの維持・更新やサービスの改善などを進める体制とし、利用者のニーズに迅速かつ的確に対応するための基盤整備を行いました。
携帯電話向けのコンテンツサービス市場は、急速に変化しつつあります。それは携帯電話の利用が通話からメールやサービス利用に変わってきたこと、中高年も含めて誰もが携帯電話を利用するようになったことなどを背景にしているのですが、利用者のニーズも大きく変わりつつあります。例えば料金体系。人気の「着うた」ダウンロードサービスでも1曲単位から定額制の「取り放題」サービスに移行しています。新しいコンテンツの提供も重要ですが、利用者のニーズに合わせてサービス内容をすばやく改善していくことは、特に人気サイトの運営では、今後、ますます重要なポイントになります。そうした視点からいち早く基盤の整備に取り組んだことで、売上を伸ばすことができました。
動画監視サービスなど成長力に富む新規サービスも続々
システムコンサルティング事業については、顧客企業の事業システムの受託開発・運用・保守サポートサービスに加えて、前期から連結対象となった子会社「株式会社デリバリー」によるITアウトソーシングサービスの2つを柱としています。当期は新たな業務サービスの開始などによって売上基盤を拡大しました。
デリバリーではこの3月から、新サービスとして投稿動画の有人監視サービスの提供を開始しています。これは、インターネット上で爆発的に増えている動画の投稿について、その内容をサイトで公開する前にチェックするサービスです。日本では違法な動画をサイトに掲載した場合、サイト運営主体の責任が問われるからです。ただ、投稿動画のチェックは人手が要るので人件費が膨らみます。デリバリーは海外拠点(タイ)に常駐する日本人スタッフによってこのサービスを提供することで、高いサービス品質を維持しながら、国内と比べて圧倒的に低いコストで、このオペレーションを実現しています。動画の投稿・掲載はさらに加速すると予想され、監視サービスの必要性も高まると見ています。
同様に、海外拠点を利用することで高品質・低コストを実現したコールセンターサービスも順調に拡大を続けています。
人材の育成に本腰、企業力向上へ新卒採用を開始
事業の順調な拡大に伴って、人材の確保、特に良質の技術者の確保・育成はますます重要になってきました。中長期的な企業力の向上という視点から言っても、中途採用で人材を確保するには限界があります。求められるのは単に技術力だけなく、顧客との対応などのヒューマンスキルを含めた総合的な能力だからです。
そこで、当社グループではこの4月、初めて新卒の採用に踏み切り、本格的な人材の育成に着手しました。新卒スタッフ向けの教育プロセスではいくつかの新たな発見もありました。今後はそうしたノウハウを積み重ねて、人材教育の向上を図っていきます。当社グループではタイ、ベトナムの拠点でのサービス拡張や開発強化などに伴って、現地採用も増加しつつあります。教育ノウハウは海外拠点でも適用し、現地スタッフのスキル向上のために活用できます。こうした人材育成のための方法論の確立は、そのまま企業の価値向上につながると考えています。
2008年7月期の見通し―持続的な利益確保へ、開発投資を強化
2008年7月期については、当期の実績を踏まえてさらに売上と利益の拡大に努めていきます。サービス開発事業におけるオンライン決済サービスや、システムコンサルティング事業における動画監視サービスのように、新しいビジネスの芽も順調に育っており、成長の可能性はますます広がります。
まずサービス開発事業については、携帯電話の買い替え需要は依然として旺盛であり、バーコードリーダー等のモバイル機器向けソフトウェアに対する安定的な需要が見込まれます。またオンライン決済サービスの採用拡大に伴う売上も期待しています。加えて、携帯電話をはじめとするモバイル機器の多機能化・高機能化に対応した新しいソフトウェアやサービスの開発も鋭意進めており、その進捗によっては早期に新たな製品やサービスを立ち上げられると思います。
コンテンツ事業については、情報端末としての「ケータイ」の進化に伴ってコンテンツ配信サービスの会員数や売上は引き続き安定的に伸びると見ています。前述のように、利用者のニーズに即応する情報サイトの更新やサービスの改善の体制を強化しています。利用者の満足度や信頼の向上を図ることで、着実な売上増を見込んでいます。加えて、新コンテンツの追加も積極的に進める予定で、さらなるマーケットの開拓も推進していきます。
システムコンサルティング事業では、子会社と連携の下で、コンサルティングやコールセンター業務など従来サービスの売上拡大に加えて、動画監視サービスなど新たなサービスメニューの追加により、一層の需要拡大、顧客の開拓に努めていきます。これにより、安定した売上や利益の漸増を見込んでいます。
中長期戦略―健全経営を基本に着実な成長を目指す
当社グループ経営の基本方針として、前述のように成長分野への先行投資を強化していく予定であり、それが持続的成長の源泉にもなります。しかし、その先行投資もあくまで利益成長によって吸収できる範囲内というのが前提です。開発コストが膨らんで赤字を計上するといった経営リスクは負わない。バランスの取れた開発投資によって、安定的・持続的な成長を目指す。そうした利益体質の構造は来期以降も継続していきます。
当社グループの中長期戦略のバックボーンとして、当社の最大の強みとなっている専門的な技術力と品質の維持、それに対する顧客の信頼感が全てのビジネスのベースになっています。顧客との継続的な取引の中で地道に評価を積み上げていく、信頼を高めていくことが最も重要と考えています。当社グループのソフトウェアやサービスの利用者は延べ1億人のレベルに達しており、コンテンツ会員も延べ数十万人の規模になりますが、大きなトラブルは一度も発生していません。こうした実績、そのノウハウが最大の強みであり信頼の拠り所になっています。そうしたバックボーンをグループ全体で共有し、さらに徹底していきたいと考えています。
事業戦略としては、バーコードリーダーの「次」を担うような画期的なソフトウェアの開発や、海外へのビジネス展開という飛躍も視野に入れています。しかし、それも健全経営、安定的・持続的な成長を前提とした上でのことです。そうした意識は今後とも堅持していきます。
株主・投資家の皆さまへ
株主・投資家の皆さまには、前期において、投資と利益のバランスを欠いたことで、ご心配をおかけしました。当期はお陰様で利益体質への転換が進み、現在は一層の利益追求に知恵を絞っている段階です。健全経営を基本としてさらに信頼される企業グループとなるように邁進してまいります。また、一歩一歩、着実に成長していくことを目指します。今後とも、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。







